無意識に執筆していると起こりがちなのが「二重表現」です。日常会話やSNSなら、多少意味が重なってしまっても問題ないでしょう。しかし、仕事で文章を書くのなら注意しなくてはなりません。
本記事では、二重表現とはどのようなものか、概要や実例、例外について紹介します。参考として、ぜひご覧ください。
Contents
二重表現とは?
二重表現とは、「同じ意味の言葉」を重ねて使うことです。「重複表現」「重言」「重ね言葉」とも言い換えられます。
簡単にいうと、二重表現は同じ意味の言葉の繰り返しです。冗長に見えるため、基本的に二重表現は避けなくてはなりません。
ただし、例外や、二重表現に見えて違う言葉も存在します。
ライティングを仕事にするなら、二重表現は使わないよう注意しなくてはなりません。案件によっては、レギュレーションで二重表現に対する注意喚起が行われている場合もあります。しかし、レギュレーションへの記載がなくても、使わないように気をつけましょう。
二重表現の実例
二重表現は、説明するよりも実際に見たほうがわかりやすいでしょう。代表的な二重表現について実例を紹介します。
- 頭痛が痛い
- アメリカに渡米する
- 馬から落馬する
- 後から後悔する
- あらかじめ予約する
- 迷宮のラビリンス
それぞれについて、内容を見ていきましょう。
二重表現の実例1. 頭痛が痛い
『頭痛』には頭が痛いという意味がありますので、「頭痛が痛い」は二重表現です。
以下はいずれも二重表現に該当します。
- 頭痛が痛い
- 筋肉痛が痛い
- 胃痛が痛い
- 腹痛が痛い
二重表現は、例外的に「強調」の意味で使う場合もあります。しかし、「頭痛が痛い」は強調ではなく、間違いです。
学校でも習うのですが、「頭痛が痛い」はよく見かけます。LINEやSNSなら、頭痛が痛いと打っても問題はありません。
記事作成だけでなく、ビジネスシーンでは避けたい表現です。
二重表現の実例2. アメリカに渡米する
「渡米」にはアメリカに行くという意味があります。そのため、「アメリカに渡米する」も二重表現です。
間違いを防ぐために、言葉の意味を考えてみるとよいでしょう。
- 渡米する=アメリカに行く
- 渡仏する=フランスに行く
- 訪日する=日本に行く
使用するときは、二重表現にならないよう気をつけましょう。
二重表現の実例3. 馬から落馬する
落馬は「馬から落ちる」の意味ですので、「馬から落馬する」も二重表現です。
- 落馬する
- 馬から落ちる
上記のどちらかで意味が通じます。
二重表現の実例4. 後から後悔する
うっかり使ってしまいがちですが、「後から後悔する」も二重表現です。
話し言葉では使われがちですが、文章で書くときは気をつけなくてはなりません。
「後から悔やむ」「後悔する」などが正しい言いまわしです。
二重表現の実例5. あらかじめ予約する
「あらかじめ予約する」も使われがちな二重表現のひとつです。「あらかじめ」を漢字で書くと、「予め」になります。
そもそも予約とは、事前に入れるものです。そのため、「予約する」だけで意味が通ります。
二重表現の実例6. 迷宮のラビリンス
番外編ですが、昔見かけた小説のタイトル「迷宮のラビリンス」も二重表現です。
語呂もよく、見た目の雰囲気も悪くありません。しかし、ラビリンス=迷宮です。
訳してしまうと「迷宮の迷宮」となってしまいます。
よく見られる二重表現の一覧
よく見られる二重表現を一覧で紹介します。
誤 | 正 |
頭痛が痛い | 頭が痛い・頭痛がする |
アメリカに渡米する | 渡米する・アメリカに渡る |
馬から落馬する | 落馬する・馬から落ちる |
後から後悔する | 後悔する・後で悔やむ |
あらかじめ予約する | 予約する |
必ず必要 | 必要 |
未だ未解決 | 未解決 |
犯罪を犯す | 罪を犯す |
返事を返す | 返事をする |
まず最初に | まず・最初に |
捺印を押す | 捺印する |
加工をくわえる | 加工する |
最後の結末 | 結末 |
訃報の知らせ | 訃報 |
過大評価し過ぎる | 過大評価する |
「必ず必要」「まず最初に」は特に多い表現です。筆者は「まず最初に」を使ってしまいたくなるため、普段から気をつけています。
二重表現に見えても正しいケース
使っている漢字が同じで二重表現に見えるものの、正しいパターンを2種類紹介します。
- 歌を歌う
- 違和感を感じる
上記は使っても間違いではありません。ただし、相手がどう捉えるかはわからないため、個人的には避けている表現です。なぜ間違いではないのか、それぞれ見てみましょう。
二重表現の例外1. 歌を歌う
「歌」と「歌う」は同じ漢字を使っていますが意味が違います。歌=歌うではないため、二重表現にはあたりません。ただし、考え方次第です。基本的に、歌うのは歌のみで、ほかのものは考えにくいでしょう。そのため、「歌う」だけで意味が通じます。
例)
- 彼女は歌を歌っている
- 彼女は歌っている
例文のふたつめなら、同じ言葉が登場しないため、文章の見た目をすっきりさせられます。
二重表現の例外2. 違和感を感じる
「違和感を感じる」は解釈が難しい表現です。基本的には「違和感を覚える」と使います。
ただし「違和感の”感”」は感覚的なものを意味する言葉です。そう考えると「感じる」とは意味が違ってきます。そこで違和感を感じるは二重表現にならないと考えることもできるのです。※諸説あり
個人的には「違和感を覚える」のほうが漢字の重複がないため、美しく見えます。解釈が別れている現状を考えると、使わないのが無難でしょう。
強調の意味を持つ二重表現で正しい言葉
「びっくり仰天」という言葉があります。「びっくり」と「仰天」は、どちらも、おどろいている状態を表す言葉であるため二重表現です。
ただし、これは意味が重複しているものの言葉の響きがよく、強調の意味合いで使われる言葉です。
文章は正しく書く必要があるの?
SEO記事を書くライターのなかには、「文章に正しさは必要がない」と考える人もいます。そのような意見を読んで、「間違っていてもいいんだ!」と曲解する人もいるでしょう。しかし、文章は、正しく書けるのが理想です。
確かに、SEO記事の大きな目的は「検索で上位に入る」「CVを出す」などであって、正しい文章を書くことではありません。そのため、「検索で上位に入れば文法的に間違えていても誤字脱字があっても問題ない」と考える人もいます。
それもまた、考え方のひとつです。結果を出しているのなら、問題ないかもしれません。
しかし、文章の間違いは離脱のきっかけになり得ます。「基本となる文章が正しくないのだから商品やサービスの訴求も正しくないかも」と考える読者がいるかもしれません。間違いや勘違いは誰にでもあるものですが、「間違えていてもいい」とはいえないでしょう。
個人的には、「可能な限り、正しい文章を書くよう意識する必要がある」と考えています。
二重表現とは同じ意味の言葉を繰り返すこと
紹介した二重表現の中に「普段使っている」というものはありましたか。記事を書いている筆者も、意識しなければ使ってしまいがちな二重表現があります。
日本語に限らず、言葉は生き物です。時代にあわせて、どんどん変化します。そのため数年後には意味や解釈が変わる可能性もあるでしょう。
それでも現代の解釈では「間違い」とされる表現もあるため、覚えておくと便利です。二重表現を使うと、どうしても文章が冗長になります。
読みやすい文章を書くために、二重表現には気をつけましょう。
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