「盗用と引用の違い」について記載します。簡単に説明すると、誰かの文章をコピーして使うのが「盗用」です。ライティングの仕事では盗用は絶対にNG。
では、盗用をしてはいけない理由などを見ていきましょう。
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webライターの仕事で「盗用」は絶対にNG
優れた記事を部分的に抜粋して紹介したり、出典を明示するなら引用で対応できます。しかし引用せずコピペした文章を貼るのなら、基本的には盗用に該当するでしょう。
なぜNGなのかは言うまでもなく、著作権法違反に該当するおそれがあるからです。
コピペした文章を納品したならクライアントにも分かます。「コピペでOK」としているクライアントなら別でしょうが、当然信頼は失うでしょう。
「コピペ」も「盗用」と同じこと。基本的にありえないかと思いますが、「記事盗用を推奨するような仕事」は断りましょう。
現在は大抵の指示書に「転用、盗用は不可」と書かれています。その代表的な事例を2つ、簡単に紹介します。
過去にあった盗用の事例①DeNa
2016年ごろ、多数の「記事盗用」が発覚したことからDeNAは複数のサイトを閉鎖。大きなニュースとなりました。記憶に残っているかたも多いことでしょう。
この事件は、「そもそもマニュアルに問題があった」といわれています。あたかも「盗用を推奨するようなマニュアル」がライターに出されていたというのです。
マニュアルでの指示なら、あまりくわしくないライターがそのまま真に受けて記事を書き、提出することもあるのでしょう。実際当時は似たようなサイトが乱立していた記憶があります。
そのため大きな問題として話題になりました。
過去にあった盗用の事例②ネタバレサイト
2022年には、ネタバレサイトも「著作権法違反」で摘発を受けました。セリフを原文ママで掲載しているネタバレサイトも多いもの。それではただのコピーです。
実際のサイトはチェックしていないため断言はできませんが、明らかに著作権侵害をしていた内容があったのでしょう。
この件ではサイト運営者だけでなく、ライターも書類送検されました。
「サイト運営者がOKといったから良い」ではないことが良く分かります。
引用と盗用の違いとは
ここで「引用」についても少し紹介します。「引用」と「盗用」はまったく別なものです。それぞれについて念のため紹介します。
引用とは
著作権法で定められたルールを守ったうえで「著作物を利用する」のが引用です。著作権者の許諾を取る必要はありません。
しかし必然性なく引用することはできないと決められています。引用によって、分かりやすくなったり出典が明確になったりするのなら、問題ないでしょう。
ただし引用では主従を明確にする必要があるため、記事より原文が長くなるのはNGです。
盗用とは
著作権法で定められたルールを守らず「無断で著作物を利用する」のが盗用です。
ただ単にコピーにしか過ぎず、他社の著作を「盗んだ」だけとなります。
部分的に変えたとしても、明らかにコピーであると分かるものについては、著作権違反に該当する可能性が高いでしょう。著作権法違反に該当するおそれがありNGです。
盗用の例
たとえば非常に面白い内容の記事を見つけたとします。「これは使える!」と、その記事の一部あるいは全部をコピペして使ったら、それは盗用です。多少文章の語尾や単語などを変えたとしても、盗用だと考えられるでしょう。
上位記事の内容をそっくりそのままコピーして、部分だけを少し変えるのも盗用です。Webに上がり、見つかれば既存のサイトから指摘されたり訴訟に発展したりするリスクがあります。語尾だけ変えた・単語だけ変えた……いずれもNGです。
周囲から見つからなければ、質の良い記事を納品したとして報酬が支払われる可能性もあります。しかしコピペはライティングではありません。私は、コピペした記事を出すのはライターの仕事ではないと考えています。
記事の一致率をチェックする理由
ライターが「CopyContentDetector」を使って一致率をチェックし、クライアントの指示する数字以下にしなければならない仕事もあります。
「CopyContentDetector」を使うとWeb上の文章との一致率が確認できるのです。クライアントにより、指定する数字は違います。
一致率のチェックをするのは、自分の言葉で書いていても専門用語の多さにより、一致率が高くなる記事があるからです。
また「過去にコピペが大きな問題になったこと」「現在もコピペした記事を提出するライターがいること」でもあります。
ライター側での一致率チェックには賛否両論あるようです。そもそも「コピペしていない」との自負があれば、不本意に感じられるかもしれません。その気持ちも当然分かります。一部の「書かないライター」のために負担が大きくなっているのなら、納得いかないと感じるのは当然です。
とはいえレギュレーションで一致率のチェックが求められているのなら、それも必要。どうしても指定以下に下がらないなら、早い段階でクライアントに相談すると解決できる可能性もあります。
文章を引用する時のルールとは
引用にはルールがあります。
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「他のサイトから引用しました!」と書き添えるだけではNGです。引用元も明記しなくてはなりません。
引用とも盗用とも違う、「リライト」の作業
引用とも盗用とも違う「リライト」という作業もあります。これは、「もともとある文章を書き直す」というものです。
全文書き換えというよりは、ある目的(例:検索順位を上げる)などのために加除修正を行う作業を意味します。ただしクライアントによっては全文書き換えに近い作業もありました。
リライトが「簡単な仕事」だと紹介されることも。しかし私は「簡単だとは言い切れない」と考えています。そもそもオリジナル記事の正確性もチェックする必要があるからです。
文章の引用をするならルールを守ろう
今回は「記事の盗用」について紹介しました。
「少しくらいなら分からないだろう」と考えるかもしれません。そのためか上位に表示されているのが「語尾が違うだけで、他と文面が同じ」という記事もあるのです。
多少表現を変えているだけなら、読めば同じものだと気付きます。それでも仕事として報酬が支払われている人もいるようですが、私はおすすめしませんしNGだと考えています。
そもそもコピペしたなら、自分で書いた文章ではありませんよね。