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文章の読みやすさを高めるために注意したいのが「漢字の閉じ開き」です。何も気にせず文章を書いてしまうと、読みづらくなってしまうかもしれません。
特にWebライターの仕事では、閉じ開きを意識する必要があります。
本記事では漢字の閉じ開きについて紹介しますので、ぜひご覧ください。
Contents
漢字の「閉じ開き」とは?
そもそも「漢字を開く」「漢字を閉じる」といわれても、ピンと来ないかたもいるでしょう。シンプルに説明すると、以下のような意味です。
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漢字ばかりだと堅苦しく読みづらくなります。しかし、ひらがなばかりだと幼稚に見えるでしょう。そのため、開いたり閉じたりするのです。一般的に、全体のうち3割が漢字、残り7割がひらがなだと読みやすいといわれています。
以下は例文です。例文1は漢字が多めで、例文2は閉じ開きを意識した例文となります。
例文1「文章を書くのは、然程面倒な事ではありません。但し読み易い文章を書く為には、文章の長さや漢字の使い方に注意する必要があります。普段から漢字を多用している方がWebライターとして記事を書く場合は、注意が必要です」 |
例文2「文章を書くのは、さほど面倒なことではありません。ただし読みやすい文章を書くためには、文字の長さや漢字の使いかたに注意する必要があります。普段から漢字を多用しているかたがWebライターとして記事を書く場合は、注意が必要です」 |
例文1の漢字含有率は40パーセント、例文2は30.9パーセントです。短い文章でも、漢字の割合が減ると印象はやわらかくなります。
漢字の比率がどのくらいなのか無料でチェックできるツールもあります。一文ずつ確認する必要はないものの、気になるなら試してみましょう。
漢字の閉じ開きが大切な理由
漢字を開く理由は、おもに次の2つです。
- 読みやすくするため
- 意味を正確に伝えるため
2つの理由について、それぞれ見ていきましょう。
理由1.読みやすくするため
漢字の閉じ開きを意識するのは、文章の見た目を整えてわかりやすくするためです。日本語は漢字・ひらがな・カタカナ・数字などを組み合わせて文章を作っていきます。
漢字のみ、あるいはひらがなのみになってしまうと、どうしても見づらくなってしまうでしょう。そのため、バランスよく配置して読みやすさを上げているのです。
理由2.意味を正確に伝えるため
漢字の閉じ開きが大切なのは、意味を正確に伝えるためでもあります。漢字によっては開いたほうがわかりやすいでしょう。しかし、開くと意味が伝わりにくくなるかもしれません。
たとえば「私はかきが好きだ」という文章があるとします。この場合、「かき」が食べ物なら考えられるのは「牡蠣」「柿」です。
意味を正しく伝えるために、上記の文章なら「閉じる」必要があります。
開いたほうがよい漢字の例
いくつかのグループにわけて、開いたほうがよい漢字の例を紹介します。ただし、紹介するのはごく一部です。興味をお持ちのかたは、記者ハンドブックなどで確認してみましょう。
ライティングの仕事でどうするか悩むときは、レギュレーションを確認してください。細かくレギュレーションが設定されていない場合、既存記事をチェックする方法もおすすめです。
形容詞
物事の状態を表すのが形容詞です。手紙など日常的な文章では閉じることが多いでしょう。Webの記事では開くのが一般的です。
可愛い | かわいい |
嬉しい | うれしい |
有難い | ありがたい |
嫌い | きらい |
面白い | おもしろい |
副詞
ほかの言葉を修飾する役割を持つのが副詞です。副詞は閉じると読みづらくなってしまう可能性が高いため、注意しましょう。
更に | さらに |
全て | すべて |
沢山 | たくさん |
最も | もっとも |
予め | あらかじめ |
接続詞
前後の文をつなぐ役割を持つのが接続詞です。
例えば | たとえば |
及び | および |
但し | ただし |
或いは | あるいは |
若しくは | もしくは |
形容名詞
単体では実質的な意味を持たないのが形容名詞です。形容名詞も通常は開きます。
度 | たび |
物 | もの |
事 | こと |
時 | とき |
所 | ところ |
補助動詞
補助動詞とは、直前の言葉に意味を添えるための動詞です。補助動詞として使う場合は開き、動詞のみで使う場合は漢字で書きます。
(~して)見る | ~してみる |
(~して)置く | ~しておく |
(~と)言う | ~という |
連体詞
名詞を修飾するのが連体詞です。連体詞の多くは開いて使います。
色々な | いろいろな |
様々な | さまざまな |
漢字の閉じ開きでの例外
「Webでの文章は漢字の閉じ開きを意識する」といっても、すべての文章に適用されるわけではありません。例外もあります。代表的な例外についても見てみましょう。
例外1. 引用
記事内で引用を行う場合は例外です。引用は、オリジナルの文章をそのまま使わなくてはなりません。たとえ読みづらくても改変せず、そのまま使います。
例外2. 固有名詞
固有名詞も例外です。たとえば地名や人名などはそのまま使っても問題ありません。読みづらければルビを振ります。
ルビについてどのように記載するかはルールに従いましょう。
例外3. 小説やエッセイ
小説やエッセイなども例外です。たとえ難しい漢字を使ったとしても、問題はないでしょう。ただし、表記ゆれに気をつける必要があります。意図なく場所によって漢字とひらがなを混在させないよう、注意しましょう。
例外4. レギュレーションによる指示
レギュレーション(指示書)に指示がある場合も例外です。指示があれば従いましょう。
たとえば、このブログでは「方」という漢字は基本的にすべて開くようにしています。「興味をお持ちの方は」「使い方は」など、「方」は記事中で頻出する漢字です。立て続けに使うことも多いため、私は自分のブログではすべて開いています。
しかし、レギュレーションでは閉じるのが一般的です。
漢字の閉じ開きでのコツ
Webライターの仕事で漢字の閉じ開きを意識しなければならない場合、未経験者や初心者のうちは「大変だ」と感じるかもしれません。しかし、漢字の閉じ開きのルールは大抵どのクライアントも似ているため、慣れると楽になるはずです。
閉じ開きでのコツをいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
記者ハンドブックを使う
閉じ開きで悩むなら、記者ハンドブックを使う方法がおすすめです。記者ハンドブックは、正確な文章表記や表記の揺れの防止を目的としています。記者ハンドブックを参考に表記のルールを作っているクライアントも多いため、参考になるでしょう。
レギュレーションを守る
閉じ開きのルールがわからないときは、まずレギュレーションを守るよう徹底しましょう。レギュレーションの設定があるクライアントでは、頻出する漢字の閉じ開きについても統一表記を設定していることが多めです。
記事の作成後はレギュレーションどおりになっているかチェックしてみてください。
ツールを使う
レギュレーションとも関係していますが、ツールを使うのも方法のひとつです。文章作成ツール・文章校正ツールには、表記ゆれを防ぐために、閉じ開きの設定ができるものもあります。
また、少し面倒ですが、スプレッドシートで表記ゆれチェックをすることも可能です。
「レギュレーションをチェックしても見落としてしまう」というかたは、ツールの活用も検討してみましょう。
自分でルールを決める
Webライターでは、漢字の閉じ開きを含め、レギュレーションが存在していない仕事もあります。その場合、閉じ開きのルールを自分で決めることが大切です。どのような漢字を閉じ、開くのか、自分で決めておくと表記ゆれを防げます。
ルールを決める場合、「開く・閉じる、どちらが読みやすいのか」を考えましょう。
漢字の閉じ開きを意識して読みやすい文章を書こう
文章を書くときは、漢字の閉じ開きを意識して読みやすさをアップしましょう。
レギュレーション(指示書・仕様書)があるなら、基本的には従えばOKです。ただし、レギュレーションにはすべての漢字の閉じ開きが定められているわけではありません。そのため、頻出語句以外は自分で考える必要があります。また、表記ゆれに気をつけなくてはなりません。
漢字の閉じ開きについて指定があり量が多いのなら、ツールを活用すると便利です。
ぜひツールも活用して、読みやすいよう工夫してみましょう。